「大分プランゲ文庫の会」 代表の白土康代さんから、活動報告をいただきました。
◆ 「大分プランゲ文庫の会」(会員18名)は昨年11月17日別府市中央公民館で、「大分プランゲ文庫」フォーラムを開催した。特別講師の川崎賢子氏が文庫の保存とアクセスへの努力を、また別府市発行の『ゴーストップ』を例にあげ史料としての文庫の意義を説明された。つづいて検閲対象となった「青い山脈」等を上映しながら、検閲の実態と占領下の文化について説明された。休憩をはさんで、会員によるリレートーク(「プランゲ文庫と出会って」「『エリイト』について」「『四次元』について」)を行い、さらに表紙の絵をパワーポイントを使って示しながら大分県雑誌110種類の概説を行った。
参加者は約80名。東アジア資料室の坂口室長のご配慮で文庫を紹介するカラーパンフレットを参加者全員に配布できた。大分合同(11月16日)、西日本(11月16日)毎日(11月17日)、朝日(11月23日)の各新聞に記事が掲載された。参加者の中に神戸から家族同伴で駆けつけてくださった方がいた。本会員の友人で、『四次元』(大分県立竹田高等学校2年1組文薫クラブ発行)の「電子編集復刻版」の、また同時に60年前の『四次元』の発行人でもある植山氏である。彼は文庫のことを知ると、すぐに国会図書館、マッケルディン図書館に連絡をとり、たちまちにして終戦直後の「針路を見失った状態の新制高校2年生」がどんな思いで雑誌作りに取り組んだかを述べた素晴しい序文とともに、復刻版を作りあげた。植山氏より本会に贈呈された電子編集復刻版『四次元』は、会の活動の記念とも励みともなっている。
アンケートは20名の回答しかなかったが、各々丁寧に書かれていた。殆どが文庫の存在に驚き、強く関心をもったことを述べている。「米国のシステム思考、思想統制のすごさがよく分かった。」「暮らしやすい日本をつくるためにプランゲ文庫から見られる戦後の真実が生かされるといいと思う」「こんな細々した膨大な資料を保存したアメリカという国は何とスゴイ国だ」「あの時代のわが村の知識人達の文化に触れてみたい。資料が欲しい」「データベース化されたものの紹介で興味をもった。地域の小冊子が60年間保存されていたことに驚き、現在とのつながりを考えるといっそう興味深い」など多彩である。フォーラムの報告書を準備中。
「大分プランゲ文庫の会」代表 白土康代
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◆ 以前に研究会でご発表をいただいたカリフォルニア大学の玉野井麻利子さん編によるCrossed Histories: Manchuria in the Age of Empire が、『満州――交錯する歴史』として山本武利監訳により藤原書店より発売されました。研究会のメンバーの方々が翻訳を担当しております。定価は本体3,300円です。
◆ 『Intelligence』5号にご執筆をいただいた高橋博子さん(広島市立大学広島平和研究所)が『封印されたヒロシマ・ナガサキ――米核実験と民間防衛計画』(凱風社、定価 本体3,000円)を出版されました。
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