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編集後記

 新雑誌の構想を山本先生から最初に伺ったのはもう二年ほど前のことだから、刊行までの道程は長いものだった。責任編集者の山本先生と編集担当をお引き受け頂いた土屋先生、そして私の三人が顔を揃えて打ち合わせる機会がそう多くない上、三人とも原稿を書く機会は多いが雑誌編集のエキスパートではない、という事情があるにせよ、当初の原稿締め切りを昨年10月末としていた割に刊行が延び延びになってしまった感は否めない。加藤先生を始めとして、時問を割いて早々に原稿を提出して頂いた先生方にはこの場をお借りしてお詫びする次第である。

 創刊号の特集テーマが固まったのは、山本・土屋・谷川の三人で、完成したばかりの「占領期雑誌目次データベース」を用いたプレゼンテーションを行ないにメリーランド大学マッケルデイン図書館に行きがてら、アメリカ国立公文書館を訪れていた昨年9月半ばのこと。テイラー氏へのインタビューを行なった翌日、突然の緊迫した館内放送により、他のリサーチャーや職員ともども、我々は同公文書館より緊急退去させられた。ホテルのTVで目にした世界貿易センターとぺンタゴンの惨状は、翌朝には(ペンタゴン隣りの)レーガン空港から(テロリストたちが乗り込んだ)二ユーアーク空港へのフライトでニューヨーク入りの予定だった我々が容易ならざる状況に陥ったことを物語っていた。ホテルの外の主要道路は州の非常事態宣言により封鎖され、全米中の空港が閉鎖された。結局、レーガン空港は当分再開されないとの判断でテロの2日後の朝に車でNYへ向い、夕方ニューアーク空港近くのホテルに辿り着いて 状況を見守り、同夜には土屋・谷川はいまだ強烈な匂いと煙の充満したダウンタウンを歩いた。これから先、この『Intelligence』創刊号を手に取る度に、あの現実離れしていた数日間を思い出すことになるだろう。

 次号の特集内容はまだ決まっていないが、今後もやはり特集を中心とした編集内容で、幅広い研究領域の交差点のような位置づけの雑誌に育てていければ、と願っている。手書き原稿での入稿の先生方が予想以上に多く、原稿のテキスト化に費やす時間も小さいものではなかったが、テキスト化には山本先生の奥様にもご尽力頂き感謝申上げる次第である。出版全体や配本・広告などでは紀 伊國屋書店、また印刷・製本段階では凸版印刷のバックアップが大変に心強かった。この場を借りて深く感謝したい。(NYにて・谷川建司)




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